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2007/03/17

【コラム】日本語ブームの終焉

自宅近くにある書店で、常設の「日本語コーナー」がいつの間にかなくなっていた。

確かこのコーナーが出来たのは『声に出して読みたい日本語』(斉藤孝著・2001年)が出版された頃だと思う。実はそれ以前にも『日本語練習帳』(大野晋著・1999年)というベストセラーがあったし、逆に近年では『問題な日本語』(北原保雄著・2004年)なんかが良く売れたので、私たちは10年ぐらい日本語で大騒ぎしていたことになる。この現象は出版界において第三次日本語ブームとして捉えられている。このブームが少なくともウチの近所の書店では終了した。個人的には衝撃的な出来事だった。

日本語ブームの終焉傾向は、テレビ界でも顕著だ。日本語ブームに「乗っかった」と思われる番組は、個人的に思い出すだけでもNHK総合の『あなたも挑戦!ことばゲーム』(2004年〜2005年)、NHK教育の『にほんごであそぼ』(2003年〜)、TBS系の『クイズ日本語王』(2005年〜2006年)、フジテレビ系の『タモリのジャポニカロゴス』(2005年〜)、テレビ東京系の『三宅式こくごドリル』(2005年〜2006年)などがある。しかしながらこれらの中で現存するのは『にほんごであそぼ』と『ジャポニカロゴス』だけだ。

実は出版界ではこんな説が囁かれている。「日本では不況期に日本語ブームが起こる」というのだ。例えば鍋底不況(1957年)の際には『日本語』(金田一春彦著・1957年)や『日本語の起源』(大野晋著・同年)が、また石油ショック(1973年・1978年)の際にも『日本語をさかのぼる』(大野晋著・1974年)『日本語のために』(丸谷才一著・1978年)といった書籍がベストセラー化した。今回のブームもバブル崩壊後の不況期に発生している。どうやら日本人は不況になると内省的になり、自身のアイデンティティーを確認するために日本語に興味を持つ……ということらしい。

かの店で常設の「日本語コーナー」がなくなったことは、日本語ブームの終焉を意味するのだろうか? そしてそれは「不況の終焉」や「内省の終焉」をも意味しているのだろうか? 他の書店でどのようなトレンド変化が起こっているのか、俄然気になり始めた。

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