【コラム】こっさり(2)
「こってり」と「あっさり」の中間形である「こっさり」という新味覚表現を発見してビックリした私。「ひょっとしたら」と思いながら新聞記事を検索すると、あったあった。最古の新聞記事。1998年の毎日新聞だ。
舌の肥えた札幌市民なら行きつけのラーメン店が1軒や2軒あるだろうが、店の味に満足できない人や、新たに店を開拓したい人などに最適の一冊「噂のラーメン鑑」が発売された。札幌市民3000人のアンケートをもとに性別・年代・職業別に、し好を分析し、味の傾向を分類。従来の「あっさり」「こってり」に加え、両者の特性を併せ持つ味「こっさり」を新設。(毎日新聞1998年8月20日北海道版「『噂のラーメン鑑』発売 札幌周辺80店を紹介」)
実はこれ以降の新聞記事で「こっさり」の語形が登場する場合、そのいずれもが北海道内の(あるいは北海道をルーツにする)ラーメンについて言及していた。どうやらこの言葉、北海道が発祥地らしい。ウェブで「こっさり」を検索すると何故か「スープカレーへの言及」も発見できるのだが、そういうことなら合点がいく。スープカレーは札幌の新名物だ。
それにしても北海道から発信される言葉はあなどれない。ここ数年で「がっつり」(しっかり・たっぷりの意味)という北海道方言もすっかり全国規模の認知度を得るようになったが、「こっさり」もこれに続くヒット作になるのではないか。「なまら」(とても・非常に)などの流行方言よりも、「がっつり」や「こっさり」のような地味な言葉の方が、強力な伝搬力を持ちながら世間での認知度を得てゆくように思う。
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