2009/03/20

ウィキ、USB、ポン酢

ネット上で時々巻き起こる議論のひとつに「ウィキペディアをウィキと略すのはアリかナシか」という話題があります。状況としては、一般利用者は「ウィキ」と略することに寛容で(というかそんな問題があることも知らないまま過ごし)、ネット技術に詳しい人が「そんな省略法はあり得ないので、けしからん」と主張しているわけです。

まぁ個人的には「アリでもナシでも、個々人が勝手に決めればいいんじゃないか」と思うのですが、白黒をハッキリさせたい人も多いようですね。

ネット技術に詳しい人が怒るのには、立派な理由があります。そもそもウィキペディアというサイト名には「ウィキという文書管理システムを用いた百科事典(エンサイクロペディア)」という意味があるからです。だからネット技術に詳しい人にとって、ウィキペディアをウィキと略すことは、USBメモリーをUSBと略すことと同じぐらい変なことなのです。

一方、ウィキが技術名であることを知る一般利用者は、そんなに多くありません。そこでこんな不幸が起こってしまうのでしょう。

実はこのような不幸が、他の分野にもあります。鍋料理を食べるときに出てくる「ポン酢醤油」がそうです。私たちは、あの黒い液体をよく「ポン酢」と略して呼びますが、あれは厳密に言えば「ポン酢醤油」と呼ぶべき液体です。

そもそもポン酢は、オランダ語のponsなどを語源にした外来語(なんと酢は当て字)。元々は柑橘類の絞り汁のことを指します。そして、そのポン酢を加えた醤油のことを、ポン酢醤油と呼んでいます。なので厳密に言えば、ポン酢醤油をポン酢と略することは、USBメモリーをUSBと略すことと同じぐらい変なことなんですね。

でも「ポン酢=あの黒い液体」という解釈は、現在、ほとんどの国語辞典が採用しています(念のために付記すると、辞典に載っている言葉が正しいという意味ではなく、多くの辞書がそのように編集するぐらい一般化しているという意味です)。ポン酢に他の有力な利用方法があれば、このような不幸も起こらなかったのでしょうが、なんとなく日本語の中でそういう流れが定着しちゃったようですね。

なので、私は「ウィキが略語としてアリでもナシでも、個々人が勝手に決めればいいんじゃないか」と考えていたりします。

p.s.

もうひとつのブログを始めました。興味のある方はどうぞ。

p.p.s.

本文とは無関係ですが、気分に変化があったので、今後しばらく「ですます体」で書いてみることにします。

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2007/11/19

2007新語・流行語大賞のノミネート語(答え合わせ)

毎年恒例の「新語・流行語大賞ノミネート語予想」。今年も11月15日にノミネート語が発表されたので、その自己採点を行いたい(詳細は新語・流行語大賞のページを参照)。私の予想との違いを下部に記しておいた。

ノミネート語60語に対して、予想が当たった言葉の数が24個。昨年の26語よりも2語ダウンで残念な結果になった。まあそれでも「毎年コンスタントに40%ぐらいの正解率は出せる」と前向きに考えてみることにしよう。

ノミネート語を眺めてみると「ブレイクの時期を掴みにくいために、対応に苦慮している言葉」を沢山みつけることができる。例えばタカアンドトシの「欧米か!」はすでに昨年ブレイクしていたが、一発屋的な大きなブレイクではなかったため、今年後追い的にエントリーしたとも考えられる。「がばい」あたりにも似たような匂いを感じるのだが、どうだろうか?

当たった言葉(24語)
 補足:[]は主催者が提示した別語形
    ()は私が予想した語形

 KY
 産む機械
 ナントカ還元水
 しょうがない
 お友達内閣
 背水の陣内閣
 そのまんまショック(そのまんま現象)
 (宮崎を)どげんかせんといかん
 (消えた)年金(年金記録問題)
 ハニカミ王子
 かわいがり
 そんなの関係ねぇ
 オッパッピー
 ビクトリー/ビリーズブートキャンプ
 千の風になって
 おしりかじり虫
 格差婚
 鈍感力
 ネットカフェ難民
 カワユス/ギザカワユス(しょこたん語)
 ワーキングプア
 不都合な真実
 Dice-K
 (一連の)ルー語(ルー語・ニュールーマニア)

予想していなかったがエントリーされた言葉(36語)
 補足:[]は主催者が提示した別語形
    ()は言い訳や補足など。
    ★ は特に残念だった語。

 事務所費
 共生(福田首相「自立と共生」から)
 マダム・スシ(小池防衛相発言)
 宮崎のセールスマン
 身体検査(小泉政権下の手法が再注目)
 姫の虎退治★
 オグシオ★
 サミング★
 国民の期待に応えられました
 どんだけぇ~(どんだけ〜)
 欧米か!
 がばい(旋風)
 別に・・・★(エリカ様で立てていた)
 干物女
 赤ちゃんポスト★
 1円○○[1円パチンコ、1円携帯]
 鉄子★
 ミンチ偽装(偽装食肉)
 猛暑日★
 ふるさと納税★
 モンスターペアレント★
 闇サイト★
 デトックス
 コンプライアンス
 金属ドロ★
 チャイナショック/チャイナフリー
 大食い[メガ○○](ギャル曽根で予想)
 フードファイター(ギャル曽根で予想)
 (核施設の)無能力化
 もてぷよ
 大人かわいい
 ハケン★
 工場萌え★
 炎上
 奪回★
 ハンカチ世代

予想したのにエントリーされなかった言葉(34語)
 補足:()は負け惜しみなど。
    ★は「エントリーされても良かった語」

 防衛省(しょうがない発言で印象薄かった?)
 エリカ様
 慚愧に堪えない
 キューマ危機/しょうがない
 ねじれ国会★(これが入っていないのはおかしい)
 歴史的大敗
 ローゼン閣下
 JP(日本郵便)
 ホワイトカラーエグゼンプション
 2007年問題
 ニコニコ動画
 初音ミク
 メガマック(メガ牛丼)
 iPhone
 バイオエタノール
 ワンセグ
 インド式計算★
 あるある捏造問題
 赤福問題
 ダンボール肉まん
 学校裏サイト★
 円天
 キッザニア東京
 崖っぷち犬
 クロックス
 クリスピークリームドーナツ
 脳内メーカー
 ポッチャリ王子
 朝青龍問題
 女性の品格
 恋空
 ホームレス中学生
 都市伝説(ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説)
 この豚野郎

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2007/11/02

【予想】2007新語・流行語大賞のノミネート語の予想

早いモノで今年ももう11月に突入。今月の中旬(例年だと15日頃)には『新語・流行語大賞』のノミネート語が発表される。そこで若干気が早いが、本ブログ好例の「ノミネート語の予想」を掲載したい。例によって、ノミネート語の発表の後に自己採点も予定している。この2週間の間に何か大きな流行語が誕生するかも知れないが、これを確定版としておく。

12月上旬の発表で予想されるベスト10(暫定予想)括弧内は予想受賞者

 KY(週刊朝日)
 東国原知事[どげんかせんといかん・そのまんま現象](同知事)
 サブプライムローン(森川央)
 Wii(岩田聡)
 ネットカフェ難民[ワーキングプア・ワンコールワーカー](日本テレビ・ドキュメント2007)
 ビリーズブートキャンプ(ビリー・ブランクス)
 不都合な真実(アル・ゴア)
 ハニカミ王子(石川遼)
 そんなの関係ねぇ/オッパッピー(小島よしお)
 どんだけ〜(IKKO)

以下、各語の選出理由を示してみる。

★ 若者言葉としての「KY(空気読めない)」は、昨年版(2007年版)の『現代用語の基礎知識』で初出している。KYと政治ネタを結びつけた新聞記事は今年の春頃から登場。筆者の印象では週刊朝日(2007年7月20号)の記事「『安倍政権』悲しき悪あがき 美しい国ではなく醜い国に』の影響が強かったようにも思うが確証はない(それ以前にも報知新聞が民主党を指してKYと指摘した例がある)。ここでは暫定的に受賞者を「週刊朝日」と設定した。この項目は次の予想で変更する可能性が高い。

★ 宮崎県「東国原知事」の関連語は何らかの形でベストテン入りするだろう。過去には「小泉語録(米百俵・聖域なき構造改革・恐れず怯まず捉われず・骨太の方針・ワイドショー内閣・改革の痛み)」という形でのベストテン入りも存在したので、ここでは「東国原知事(どげんかせんといかん・そのまんま現象)」と予想してみた。もちろん受賞者は同知事。

★ 経済の世界的な混乱を招いた「サブプライムローン」も、有力候補のひとつと判断した。受賞者が設定しにくいところが難点か? この問題について早くから指摘していた識者の一人、森利博氏(立命館大学)を暫定的に受賞者としておく。これも次の予想で変更する可能性が高い。

★ 「Wii」はほぼ間違いなくベストテンに入選するだろう。受賞者はもちろん任天堂代表取締役社長の岩田聡氏とする。なお昨年は「脳トレ」がベストテンに入選している(受賞者は川島隆太氏)。

★ 「ネットカフェ難民」もベストテン入りの可能性がかなり高い言葉の一つ。ただし、ネットカフェの業界団体である『複合カフェ協会』が「難民」という呼び方について苦言を呈していることもあり、取り扱いが難しいかも知れない。その場合、付記した「ワーキングプア」もしくは「ワンコールワーカー」をベストテンに据える方法もあるかも知れない。ネットカフェ難民が入選した場合は、受賞者はこの語を初めて発信した「日本テレビ・ドキュメント2007」とするのが妥当だろう。

★ 「ビリーズブートキャンプ」のベストテン入りもほぼ間違いない。受賞者はもちろんビリー・ブランクス。

★ 毎年、必ずといっていいほどベストセラーから発信された言葉がベストテン入りしている(昨年は『国家の品格』から「品格」が入選)。今年のベストセラーの中では「不都合な真実」が出色だろう。映画も話題になり、アル・ゴア氏はノーベル平和賞も受賞してる。

★ 「ハニカミ王子」(石川遼)のベストテン入りもほぼ間違いないだろう。受賞者は、石川遼くん、もしくは命名者の多賀公人アナ(瀬戸内海放送)とするのが妥当か? なお昨年のトップテンにはハンカチ王子が入選している。

★ ギャグ系の枠としては「そんなの関係ねぇ/オッパッピー」(小島よしお)、および「どんだけ〜」(IKKO)が確実だと思われる。ここ数年「新語・流行語大賞に選ばれたタレントは大成しない」とも囁かれているが、今年はどうなるか?

次に、ノミネートが予想される残り50語も示しておきたい。ノミネート語が発表された後に、これらの採点を行い、新しいエントリーをアップすることにしたい。

ノミネートが予想される残り50語  ▲はベストテンの次点だと考えている語

 防衛省
 慚愧に堪えない
 ナントカ還元水
 キューマ危機/しょうがない
 ねじれ国会▲
 歴史的大敗
 ローゼン閣下
 背水の陣内閣
 お友達内閣
 JP(日本郵便)
 年金記録問題▲
 産む機械
 ホワイトカラーエグゼンプション
 2007年問題
 ニコニコ動画
 初音ミク
 メガマック(メガ牛丼)
 iPhone
 バイオエタノール
 ワンセグ
 インド式計算▲
 特待生制度問題
 あるある捏造問題
 赤福問題
 ダンボール肉まん
 学校裏サイト
 ワーキングプア
 円天
 キッザニア東京
 崖っぷち犬
 クロックス▲
 クリスピークリームドーナツ
 おしりかじり虫▲
 脳内メーカー▲
 DICE−K
 ポッチャリ王子
 かわいがり▲
 朝青龍問題
 女性の品格
 恋空
 ホームレス中学生
 都市伝説(ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説)
 鈍感力
 エリカ様
 ルー語・ニュールーマニア
 千の風になって▲
 格差婚▲
 この豚野郎▲
 しょこたん語(ギザカワユス)
 ギャル曽根▲

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2007/09/12

【コラム】KY

政治評論の場で、一時「KY」という言葉が流行った。安倍首相の「空気の読めない」行動を指した言葉だった。KYは若者言葉で「空気を読めない」「空気を読め」を指す。意外な分野で手垢がついた「KY」という表現。そろそろ若者の間では、使うと格好悪い雰囲気も出来ているかも知れない。

その手垢の原因を作った安倍首相が、辞意を明らかにした。参院選で惨敗したタイミングでなく、臨時国会の所信表明演説を行った今のタイミングで辞意を表明したのだ。なるほど彼は、空気が読めていない。

ただ私はひとつの仮説を持っている。彼は空気を読もうと「しすぎて」自我を崩壊させたのではないかと。「空気を作る」にしろ「読む」にしろ、その空気に積極的に関わろうとするには、強い自我が必要だ。自我が弱い人は「空気に染まる」しかない。だが一国の首相が「空気に染まる」ことは許されない。彼は弱い自我のまま、空気(国内世論・国際世論・政局など)を読もうとしすぎて、自分を見失ったのではないかと。

おそらく今後、一部のマスコミで「自分探しを続けている中田英寿」や「モンゴルで解離性障害の治療を続ける朝青龍」辺りと串刺しにして、彼の言動を論ずる記事が登場するはずだ(民主党代表辞任後に八十八カ所巡りを行った菅直人も登場するかもしれない)。そして、その背景として「彼らに相談相手がいなかったこと」、さらには「社会全体で人間関係が希薄化」していることも論じられるかもしれぬ。……いや、自我を保つには、社会の方が複雑化しすぎているという見方もあるか。色々と考えさせられる辞任劇だ。

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2007/09/05

【駄文】買収、合併、統合後の企業名

まぁ買収、合併、統合といった企業行動には、いろいろとナーバスな問題が潜んでいるもの。その最たるものが、社名をどうするかという問題だろう。住友銀行とさくら銀行(三井グループ)が合併して発足した三井住友銀行の略称が「SMBC」であるのは、よく知られるところ。日本名は「三井→住友」の順番だが、英名では「住友→三井」となる。似た例には、バンダイナムコホールディングス(略称NBHD)もある。双方の顔を立てるこの方法は、わりと常套手段になりつつある。

で、最近の百貨店業界の動きとして気になるのが「三越」と「伊勢丹」の行方だろう。両社を統合する持ち株会社の商号が「三越伊勢丹ホールディングス」になることはすでに発表済み。私は、未発表の英略称が「IMHD」ぐらいになるような気がしているのだが、真相はいかに。

ちなみに大丸と松坂屋の持ち株会社は「J・フロントリテイリング」、西武とそごうの持ち株会社は「ミレニアムリテイリング」となっている。はなから、子会社の企業名を無視するのもひとつの方法らしい。

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2007/09/04

【駄文】松坂屋

経営統合した大丸と松坂屋。折角の機会と思い、両者の歴史を調べていたら興味深い事実にぶつかった。松坂屋という名前の歴史だ。同社のルーツは1611年に創業した『呉服小間物商いとう呉服店』で、その屋号は『いとう屋』。1768年に上野の『松坂屋』を買収して、同地で『いとう松坂屋』となったのだそうだ。これが後に『松坂屋』に改称されたという。

買われた会社の名前が残る…というこの構図。「どっかでみたことがあるな」と思ったら、そうだ『ライブドア』と一緒じゃないか。『ライブドア』もまた買収された会社の名前なのだ(買った方の会社は、オン・ザ・エッヂという名前だった)。ブランド戦略としての会社名の選択が、こんなに昔から行われていたことに、ちょっとした感動を覚えているところだ。

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2007/09/03

【駄文】現代用語の年鑑

先週、衝撃のニュースを知った。「イミダス」と「知恵蔵」が、昨年末発行の2007年度版を最後に休刊するそうだ。ネット普及を背景にした部数減が原因らしい。今後、両媒体はネット版を継続させるとのことだ。イミダスと知恵蔵の両者には「お疲れさまでした」と「今後もネットでよろしくお願いします」の言葉をかけてあげたい。

さて、この出来事によって俄然存在感を増したのが「現代用語の基礎知識」。私のような新語マニアにとって、同書はある種の「目印」のような存在だ。ある言葉を調べる際、「その言葉が同書の何年度版から掲載されたか?」を把握することが、その言葉の歴史を知るための「手がかり」になる(もちろんこれだけが答えではないけど)。例えばインターネットという言葉が同書に初めて登場したのは1994年版(19993年末発売)のことだった。ちょうどこの頃は、パソコンでのインターネット利用が可能になった時期にあたる。米国のゴア副大統領(当時)が情報ハイウェー構想を発表したのもこの時期だった。このような情報は「世間やマスコミの期待感が、どのタイミングで盛り上がったのか」を知るための良いヒントになる。

来年創刊60号を迎える同書には、歴史の証人としての役割がある。この役割には、今のところ(あくまで「今のところ」だが)インターネットでは太刀打ちできない価値があるように思う。同書の今後に大いなるエールを送りたい気分だ。

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2007/08/29

【駄文】猛暑日(3)

ところで今年は最高気温が35度以上の日だけでなく、40度以上の日も記録されている。前者は今年から正式に「猛暑日」と呼ぶことが決まったのだが、後者にはまだ呼び名がない。今後、これに呼び名が付くことはあるのだろうか? これについて某気象予報士は、出演番組の中で「折角だから名前を付けましょうよ」と提案。彼が提案した言葉が、なんと「酷暑日」だった。なるほど、今や酷暑日は「なかったことにされている」表現なのだ(気象予報士氏が以前からこの表現を知っていたかどうかは別の話)。歴史は「強いもの」によって紡がれるのだな、ということを思い知った。

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2007/08/28

【駄文】猛暑日(2)

で、結局、今年は猛暑日が連続した。そのせいでマスコミでは「猛暑日」の文字が数多く躍ることになった。つまり今年は「猛暑」という文字を、例年以上に多く目にしたのだ。そんなわけで私は「ひょっとしたら“酷暑”よりは“猛暑”の連発の方が、気分的にマシだったのかなぁ」などと思い始めている。私の中では「猛暑」より「酷暑」の方が暑苦しい気がするから。気象庁に感謝する気持ちが、少しばかり芽生えたかも知れない。

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2007/08/27

【駄文】猛暑日

今年の春から、気象庁は正式な気象用語として「猛暑日」という言葉を導入している。「最高気温が25度以上の日」を指す概念だ。実はこの概念、昨年までマスコミで「酷暑日」と表現されていたもの。真偽は不明だが、私には「気象庁がマスコミの用法を嫌った」風にも見えた。過去には「集中豪雨」がマスコミ用語から気象用語に流入したことがあったので、今回は気象庁が意地を見せたのかも……などと妄想しているところだ。もちろんこれは妄想で、真偽の程は定かではない。

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2007/06/02

【コラム】慚愧

松岡農相の自殺について、安倍首相が「慚愧に堪えない」と発言していた。既にマスコミやネットなどで話題になっている通り「慚愧に堪えない」とは「自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと」(大辞林)を意味する。おそらく彼は「残念」を難しく言い換えようとしたのだろうが、巷ではいろいろな深読みもされているようだ。

ともあれ、政治家の皆さんは「権威のある言葉」が好きらしい。同じ概念を表す言葉なら、彼らは「より難しそうな言葉」「より頭の良さそうな言葉」「より皆が知らなさそうな言葉」を選択するような気がしている。

例えば、戦前教育の影響下にある政治家の皆さんは、いわゆる漢籍(中国人が漢文で書いた書物)からの引用を好んだ。例えば小泉前首相の座右の銘は「無信不立(信無くば立たず)」で、これは論語の一節だ(実は彼、戦後に教育を受けた世代なのだけど)。いっぽう戦後生まれの政治家の皆さんは、それに加えて英語由来のカタカナ語を好むようになった。安倍首相の所信表明演説で、イノベーション(技術革新)などのカタカナ語が多数登場したことも、そういうことなのだと思う。

もう随分前のことだが、漫画家の倉田真由美さんが「だめんず・うぉ〜か〜」の中で、次のような指摘をしていた。「人は往々にして、文章の背後に“本当に伝えたい情報”を隠すのだ」と。

その回の具体的内容は失念したので、私なりに実例を考えてみた。例えばある女性が「昨日さぁ、IT系企業のCEO(最高経営責任者)をやってる知り合いと会ったんだけど、最近はあの業界も景気良くないらしいよ」という発言をした場合。この文章の要約は、本来「最近のIT業界は景気が良くない」となるのだが、真の要約は「私はCEOと友達だ」となるのだそうだ。彼女が本当に伝えたい情報はそういうことなのだと。これに即して邪推するならば、安倍発言の真の要約は「私は慚愧という言葉を知っています」となるか?

その彼女が「IP企業のCEOと……」なんて言ったら笑いものだろう。身の丈にあった言葉選びって、実に大切なことなのだと思う。

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2007/05/21

【業務日誌】時代を読む新語辞典

少し告知が遅れましたが、先週から『nikkei BPnet』で「時代を読む新語辞典」というコーナーが始まりました。元々、同社のメルマガに掲載していた連載をバージョンアップしたものです(文章量がちょっと増えたので、余裕をもって言葉の紹介ができるようになりました)。興味のある方は、ご覧になってみてください。

時代を読む新語辞典

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2007/05/01

【業務日誌】言葉の誕生日、言葉の記念日

多くの「言葉」は、自然発生的に誕生した後、じわじわと世間に浸透するのが普通だ。だが、ある種の言葉には「誕生日や記念日」が存在する。つまりその言葉が誕生した瞬間や、その言葉がブレイクするきっかけになる出来事が存在するのだ。

ニフティーが@nifty TimeLineという名前の興味深いサービスを提供している。時間軸に沿って様々な出来事を記録できるサービスだ。このサービスを利用して「言葉の誕生日、言葉の記念日」という名前のタイムラインを作成してみた。まだまだ項目数は少ないが、これから少しずつ「言葉の記録」を増やしていこうと思う。

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2007/03/17

【コラム】日本語ブームの終焉

自宅近くにある書店で、常設の「日本語コーナー」がいつの間にかなくなっていた。

確かこのコーナーが出来たのは『声に出して読みたい日本語』(斉藤孝著・2001年)が出版された頃だと思う。実はそれ以前にも『日本語練習帳』(大野晋著・1999年)というベストセラーがあったし、逆に近年では『問題な日本語』(北原保雄著・2004年)なんかが良く売れたので、私たちは10年ぐらい日本語で大騒ぎしていたことになる。この現象は出版界において第三次日本語ブームとして捉えられている。このブームが少なくともウチの近所の書店では終了した。個人的には衝撃的な出来事だった。

日本語ブームの終焉傾向は、テレビ界でも顕著だ。日本語ブームに「乗っかった」と思われる番組は、個人的に思い出すだけでもNHK総合の『あなたも挑戦!ことばゲーム』(2004年〜2005年)、NHK教育の『にほんごであそぼ』(2003年〜)、TBS系の『クイズ日本語王』(2005年〜2006年)、フジテレビ系の『タモリのジャポニカロゴス』(2005年〜)、テレビ東京系の『三宅式こくごドリル』(2005年〜2006年)などがある。しかしながらこれらの中で現存するのは『にほんごであそぼ』と『ジャポニカロゴス』だけだ。

実は出版界ではこんな説が囁かれている。「日本では不況期に日本語ブームが起こる」というのだ。例えば鍋底不況(1957年)の際には『日本語』(金田一春彦著・1957年)や『日本語の起源』(大野晋著・同年)が、また石油ショック(1973年・1978年)の際にも『日本語をさかのぼる』(大野晋著・1974年)『日本語のために』(丸谷才一著・1978年)といった書籍がベストセラー化した。今回のブームもバブル崩壊後の不況期に発生している。どうやら日本人は不況になると内省的になり、自身のアイデンティティーを確認するために日本語に興味を持つ……ということらしい。

かの店で常設の「日本語コーナー」がなくなったことは、日本語ブームの終焉を意味するのだろうか? そしてそれは「不況の終焉」や「内省の終焉」をも意味しているのだろうか? 他の書店でどのようなトレンド変化が起こっているのか、俄然気になり始めた。

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2007/03/01

【コラム】ガンマバージョン

YouTubeに対するアクセス遮断問題(CNET Japanなどを参照)のためにサービスを停止していた『ニコニコ動画』(ニワンゴ)が、近日中にサービスを再開すること発表した。この再開サービスについてニコニコ動画では「クローズドガンマサービス」という表現を用いている。

このうち「クローズド」とは限定会員向けのサービスという意味(それでも10万人のテスターを募るというが)。そして一方の「ガンマ(γ)サービス」は、おそらく「ベータ(β)サービス」から着想を得た用語なのだろう。既に一般化していてもおかしくない表現ではあるが、妙に新鮮な感じだ。念のため少しググって調べてみたが、一部ウェブサービスでγバージョン・γ版・γサービスといった表現が登場しているものの、その数はαやβほど多くはない(ただしこれは日本語での話だ)。

ソフトウェア開発の現場では、開発の段階を表す言葉として「αバージョン」「βバージョン」という用語をよく用いる。厳密な定義があるわけではないが、開発初期にテスト用・機能評価用として確定させるバージョンのことをαバージョン、リリース直前段階に最終テストのために確定させるバージョンのことをβバージョンと呼ぶ。

ところがウェブサービスの世界では「永遠のβ」という考え方がある。つまり「機能が完全に確定していない状態でも、とりあえずサービスを開始してしまい、ユーザーからの要望などを反映しながらサービスを継続する」という考え方だ。その方がネット特有のスピード感やダイナミズムにうまく追随できる。よく知られるところでは、あの『mixi』が現在でも「ベータ版」と言い張っている。これは旧来的なコンピューター業界人にとって、随分ショッキングな概念に映っているに違いない(旧聞ながら、YouTubeに「もしもプログラマーが飛行機を作ったら」という動画がアップされているので、時間のある方は見ていただきたい)。

翻って、ニコニコ動画が用いた「ガンマサービス」(γバージョン・γ版・γサービス)という表現は、非常に象徴的に思える。「永遠のβ版のつもりで開始したサービスが、不測の(?)事態でストップしてしまった。再開後のサービスはβ版とは大きく異なる仕様だ。さて、この新サービスを何と呼ぶのだろう?」と、おそらくそんな議論が交わされたのではないか。こういう議論は、モノがネット上のサービスでなければ起こりえない。

ひょっとしたら、日本のウェブサービスの世界では、今後「デルタ」「イプシロン」「ゼータ」などのギリシャ文字が消費されることになるかも知れない。かつて、バグだらけのソフトウエアのβ版が、ver 0.99999999……999bと、その桁数を増やしていったような感覚で。

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2006/12/01

【予想】新語・流行語大賞〜結果〜

先日予想エントリーをアップした新語・流行語大賞。本日そのベスト10と大賞が発表されたので、答え合わせをしたい。このエントリーを書いている時点で、授賞式の映像を見ていないので、一部正確さに欠ける記述があるかも知れないが、そこはご容赦されたい。以下の一覧表の右側にある[]では、左から大賞・ベスト10を当てたかどうか、受賞語を当てたかどうか、受賞者を当てたかどうかを表している。

■ 大賞:イナバウアー(荒川静香)[○○○]

これは予想通り。かつ誰もが納得する結果だっただろう。

■ 大賞:品格(藤原正彦)[×××]

政治色のある言葉の中では「美しい国」を予想していたがハズレ。やはり安倍首相の招聘が困難だったか? 毎年ベストセラーの著者が何らかの形で受賞するパターンが見られ、今回もこれを踏襲する形になった。若者などはクビをかしげる受賞かも知れない。個人的には、この人の一連の発言がどうにもインチキ臭くて受け入れられない(でも「初期教育では国語を重視すべき」との主張だけは大いに賛成するところだ)。

■ エロカッコイイ(エロカワイイ)(倖田來未)[○○○]

これも予想通り。若者には「今更感」があると思うが、それ以外の世代に彼女の名前が浸透したのは、昨年のレコ大以降のことだ。

■ 格差社会(山田昌弘)[×××]

格差社会を表す言葉が複数エントリーされているので、この分野からの選出までは予想できた。私が選んだのは「下流社会」(三浦展)だったが、結局「格差社会」の受賞に。ちなみに私が「格差社会」を避けたのは「受賞者が特定しにくい」という理由からだ。その意味で、山田昌弘氏の受賞には少し驚いている。2004年の著書『希望格差社会』に関連づけての受賞と見るべきか? それとも世間にこれだけ浸透しながら新語・流行語大賞の受賞をすり抜けてしまった言葉・パラサイトシングル(山田氏の造語)に対する救済措置か? 興味は尽きない。

■ シンジラレナ〜イ(トレイ・ヒルマン)[×××]

日ハム絡みでは新庄剛志氏の登場を予想したが、見事にハズレ。もっとも、新庄選手絡みでのノミネート語は「SHINJO」「新庄劇場」の2語。いずれも新語・流行語としてのインパクトに欠けるので、賞としての良識が発揮されたものと信じたい(単に新庄を呼べなかっただけかも知れないけど)。

■ たらこ・たらこ・たらこ(キグルミ)[×××]

これは完全にノーマーク。だが、近所の子供が路上で「た〜らこ〜」などと口ずさんでいるのを見るにつけ、これも順当な受賞であるように思える。CM系のキーワードも毎年強い。

■ 脳トレ(川島隆太)[○○○]

これは予想通り。今日日経が発表したヒット商品番付でも「脳グッズ」が西の関脇になっていた。

■ ハンカチ王子(斎藤佑樹)[×○○]

私は「大賞」としての受賞を予想したが、そこはハズレ。事前に想像していた懸念材料(朝日 word of the year での大賞受賞など)が的中したか? いずれにせよ、これが大賞を逃したことに納得できない。

■ ミクシィ(笠原健治)[×××]

予想では次点としていたが、ベスト10に入ってきた。上場を果たしたことや、Web2.0(事情通の間ではこちらこそが流行語だろう)に絡んだ言葉であること、社長がいわゆるナナロク世代であることなどから、順当な受賞だと言える。

■ メタボリックシンドローム(メタボ)(日本内科学会)[○○×]

これは受賞者を「メタボリックシンドローム診断基準検討委員会」と予想していたが、実際の受賞者は「日本内科学会」となった。前述のヒット商品番付では、メタボリック対策商品が東の関脇だった。

なお、事前に私が予想したのにベスト10に入らなかった言葉は「美しい国」「エビちゃん」「デンデンデデンデン(武勇伝)」「下流社会」「新庄劇場」の5語だった。

……ということで以上10語が今年の受賞語。○ひとつを1点とすると、30点満点で13点(100点満点に換算して43点ぐらい)だった。採点方法が違うけど、昨年の予想成績(100点満点で30〜50点)とそんなに変わらない結果となった。この賞の持つ「ちょっとだけ世間からズレた感覚」を思えば、あまりシンクロ率の高くないこのぐらいの得点の方が安心できるのかも……などと思い始めているところだ。

余談だが、今年の新語・流行語大賞では芸人関連の選出がなかった。ノミネートされたオリラジ、ザ・たっち、桜塚やっくん、アンガールズの4組は、“一発屋宣言”を逃れて安心している頃かも知れない。

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2006/11/17

【コラム】ライブドア問題と新語・流行語大賞

今週、新語・流行語大賞のノミネート語が発表されたことから、直近のエントリーで「ノミネート語の予想」「その結果発表」「来るべき大賞の予想」を展開したわけだが。その作業の中で、ひとつ気が付いたことがあった。「ライブドア問題と新語・流行語大賞」との大いなる関連性だ。といっても「両者の間に黒い癒着が……」という類の話ではない。「両者の間には、深い因縁が存在する」という話だ。

この事件が報じられた際、ワイドショーなどで堀江貴文被告と自民党・武部勤氏との蜜月ぶりが広く伝えられたのだが、実は二人が知り合うきっかけを作ったのが、新語・流行語大賞の授賞式だったのだ。2004年12月、堀江被告は「新規参入」の受賞者として、武部氏は「サプライズ」の受賞者として、同賞の授賞式に参加した。これが二人の出会いだった。後に堀江氏は2005年8月の衆議院選に立候補することになるが、それもこの出会いがなければ実現しなかった出来事だった。

さらに興味深いことには、2005年12月の新語・流行語大賞で、二人が「大賞の受賞者」として再び顔を合わせることになる。堀江被告は「想定内(外)」の受賞者として。武部氏は「小泉劇場」の受賞者として。いわゆるライブドア事件が発覚するのは、それから約一ヵ月後の今年1月の出来事だった。

「ライブドア事件」という言葉は、今年の流行語として記憶に残るキーワードだが、残念ながら新語・流行語大賞にはノミネートされていない。また、民主党などが持ち出してきたキーワード「BLT問題(防衛庁・ライブドア・耐震偽装問題)」もノミネートされず。もっともこの言葉は同じ民主党の「偽メール問題」で立ち消えになったのだが、その「偽メール問題」さえもノミネートされていないのが面白い(良く見ると「捏造」というキーワードがノミネートされており、そこにES細胞の論文捏造問題、耐震偽装問題、偽メール問題が集約されていた)。もちろん「偽メール問題」の主演者は永田寿康氏だが、助演者(に無理矢理させられた登場人物)は他ならぬ、堀江被告と武部氏だった。どうも、この一連の問題に新語・流行語大賞が懲りているような印象を受ける。無理もないこととは思うが。

個々人が堀江被告や武部氏に対して抱く感想は色々あると思う。が、この二年ほどの間に政治・マスコミ・世論が、どれほど彼等の言動に振り回されてきたのかが、この一連の流れを見るだけでも良く分かるのではないだろうか? 改めて「新語や流行語は社会を映す鏡」だと思う。

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【予想】新語・流行語大賞

前回のエントリーでは、新語・流行語大賞ノミネート60語の予想と結果を記したが、このエントリーでは大賞(およびベスト10)の予想を行っておきたい。ちなみに、新語・流行語大賞では毎年12月上旬に最終的な大賞を発表。その際、ベスト10となる10語(順位は付けない)と、大賞となる数語(ベスト10の中から1〜3語程度)を選出する。事前の予想も踏まえた上で、私の考える新語・流行語大賞の最終予想を以下に記しておきたい。各語について、その予想理由や背景なども付記した。括弧内は予想受賞者だ。

■ 大賞:イナバウアー(荒川静香)

鉄板中の鉄板と思われる流行語。後述のハンカチ王子について、大賞を授与しにくいいくつかの懸念材料があることから、相対的に大賞への距離が縮まっているように見える。

■ 大賞:ハンカチ王子(斉藤佑樹)

夏の高校野球を主催した朝日新聞が「Word Of The Year 2006」をこの言葉に対して贈っている。スポーツ報知(2006年9月11日)によると「早実・斎藤佑樹『ハンカチ王子』の『流行語大賞』最有力に日本高野連が待った」とあり、懸念材料となっている。

■ 美しい国(安倍晋三)

今年は政治関連でインパクトのある言葉が少なかった。私が事前に予想していたベスト10候補は「国家の品格」だったが、これは「品格」という語形でノミネートされることに。となると、政治関係では「美しい国」ぐらいしか候補が残らない。この賞は政治ネタを好む傾向があるので、おそらくこの言葉がベスト10に入るのではないか。受賞者本人が現れるかどうかが注目ポイント。(余談だが、昨年の新語・流行語大賞を受賞したのが武部勤[小泉劇場]・堀江貴文[想定内(外)]の2名であるというのが、なんとも皮肉的だ)

■ エビちゃん(蛯原友里)

受賞者の見栄えを考えた上で外せない言葉のひとつ。もちろん、エビちゃん自体が社会現象であったことも間違いない。ノミネートでは「エビ売れ(エビちゃん)」となっているが、これは「エビちゃん」の語形でトップ10入りするのではないかと予想する。この賞では、ノミネート時と大賞時で語形が微妙に変わっていることも多い。

■ エロカッコイイ(倖田來未)

こちらも、受賞者の見栄えを考えた上で外せない言葉のひとつ。言葉の観点から見ても「キモかわいい」「エロかっこいい」などの一連の複合語がトレンドであることは間違いない。倖田來未は、昨年末のレコード大賞を受賞した辺りから、若者以外の層でも認知度が広まったように思う。

■ 下流社会(三浦展)

今回のノミネートでは、いわゆる「格差社会」を表す言葉がいくつかエントリーされている(格差社会、下流社会、下層社会、勝ち組・負け組・待ち組、貧困率)。従って、この分野からのベスト10入りも確実だと思われる。ノミネート語の中では、格差議論のきっかけを作った本語がベスト10に入るべきだろう。

■ 脳トレ(川島隆太)

脳の活性化を謳った商品が大ヒットしたことから、この分野からのベスト10入りも大いにあり得る。ニンテンドーDSのブームも「脳を鍛える大人のDSトレーニング」がなければ存在しなかったかも知れない。受賞者は一連のブームのきっかけを作った川島隆太教授で。

■ 新庄劇場(新庄剛志)

実は事前の予想では「シンジラレナ〜イ」をベスト10として予想していたのだが、ノミネート語の中に「SHINJO」「新庄劇場」の2語を発見したことから、選考委員会の強いバイアスを読み取った次第。確かに日ハム・ヒルマン監督が登場するよりは、新庄剛志が登場する方が絵になりそうだ。今年はWBC、サッカーW杯、冬季五輪などがあり、スポーツ関連のキーワードが数多くノミネートされている。その分、割を食った言葉も多い。

■ デンデンデデンデン[武勇伝](オリエンタルラジオ)

昨年に比べてギャグ・芸人系の流行語が少なかった。昨年のノミネートは、あざーす(アンタッチャブル)、ジャンガ、ジャンガ♪(アンガールズ)、ハイ×5♪あるある探検隊♪(レギュラー)、フォーーー!(レイザーラモンHG)の4語。一方、今年のノミネートは、がっかりだよ!(桜塚やっくん)、デンデンデデンデン(オリエンタルラジオ)、チョット、チョットチョット(ザ・たっち)の3語。このうち来年も確実に残りそうなオリエンタルラジオをベスト10として予想したい。ちなみに、巷間では「新語・流行語大賞を受賞した芸人は大成しない」とのジンクスも聞かれるようになったが、今年の受賞者はどうなるだろうか? ちなみに近年の受賞者は、2005年がレイザーラモンHG、2004年が波田陽区、2003 年がテツandトモだった。

■ メタボリックシンドローム[メタボ](同・診断基準検討委員会)

この言葉だけ受賞者を特定しにくい事情があるため、別の言葉が候補となる可能性もある。但し、言葉自体はオヤジ系の雑誌を中心に好んで取り上げられたことから、流行語としての資格が充分にあると思われる。次点として可能性がある言葉として、ミクシィ(受賞者:笠原健治・ミクシィ社長)、数独(鍜治真起・ニコリ社長)を挙げておきたい。

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2006/11/16

【予想】新語・流行語大賞のノミネート語・2

新語・流行語大賞のノミネート語・60語が発表された。詳しくはこちらのサイトを参照されたい。私が事前に予想していた60語との違いは以下の通り。結果としては、60語の半分弱にあたる26語が「的中」となった。皆さんはこの結果をどうご覧になるだろうか? 後日、ベスト10(12月発表予定)の再予想にもチャレンジしてみたい。

当たった言葉(26語)
 補足:[]は主催者が提示した別語形
    ()は私が予想した語形

 イナバウアー
 飲酒運転
 美しい国
 エビ売れ[エビちゃん](エビちゃん)
 エロカッコイイ[エロカワイイ](エロかっこいい)
 オシムの言葉[オシム語録]
 格差社会
 下流社会
 カー娘[チーム青森](カーリング娘)
 亀田ファミリー[亀田3兄弟](亀田三兄弟)
 キモカワイイ
 脳トレ
 再チャレンジ
 サムライブルー
 シンジラレナ〜イ(シンジラレナーイ)
 頭突き
 ダ・ヴィンチ・コード(ダビンチコード)
 WBC
 駐車監視員
 デンデンデデンデン[武勇伝](武勇伝)
 ハンカチ王子
 番号ポータビリティー(ナンバーポータビリティー)
 品格(国家の品格)
 ミクシィ(mixi)
 メタボリックシンドローム[メタボ](メタボリック症候群)
 ユーチューブ[YouTube](YouTube)

予想していなかったがエントリーされた言葉(34語)
 補足:[]は主催者が提示した別語形
    ()は言い訳(笑)。
    ★ は特に残念だった語。

 アンチエイジング(今年の流行ではない印象があった)
 ウルトラダラー(北朝鮮の偽ドル。ノーマーク)
 エハラー(候補として考えたが、見送った語)★
 オレ流勝利(同賞によく見られる強引なエントリーの一つ)
 学力低下(今年の流行ではない印象があった)
 下層社会(下流社会を予想。深化した語がエントリー)
 勝ち組・負け組・待ち組(待ち組は確かに今年の言葉だ)
 喝・天晴(サンデーモーニングで登場。これは大いに疑問)
 がっかりだよ!(これは迂闊だった。見逃していた。)★
 偽装請負(これは候補に入れても良かった語だ。)★
 GyaO[ギャオ](YouTubeがあるのでカスむ)
 ググる(こういう地味な流行語の取り扱いは難しい)
 グレイゾーン金利(これも候補に入れるべきだった)★
 SHINJO(これも取り扱いが難しいと感じた)
 新庄劇場(同上)★
 数独(これも見逃していた!!)★
 ズバッ(みのもんた。気持ちは分かるが疑問)
 他人を見下す若者(これもなるほど。だが弱い)
 代理出産(向井亜紀の件もあり迷った)
 たらこ・たらこ・たらこ(迷ったが、入れるべきだった)★
 団塊[もの](2007年問題で対応したつもり)
 着うたフル(これも疑問。今年ではない)
 チョット、チョットチョット(迂闊だった)★
 ツンデレラ(もしエントリーするならツンデレが先だろう)
 東京タワー(リリーフランキー。確かにあってもいい)
 中食(大いに疑問。今年ではない)
 涙本/泣ける本(これも取り扱いが難しい)
 捏造[論文とか](同上)
 バイオエタノール(トレンドしては有。流行としては弱い)
 貧困率(流行としては弱い)
 メガドル(時東ぁみ。一般的な認知度は低い)
 未履修(見逃した)
 冥王星(これも取り扱いが難しい)★
 浪速乃闘拳(亀田三兄弟とダブるのでパスした)

予想したのにエントリーされなかった言葉(33語)
 補足:()は負け惜しみ(笑)。
    ★は「エントリーされても良かった語」

 いじめ問題(これは取り扱いが難しかったか?)
 きっこのブログ(同上)
 しょこたん
 ど根性大根
 オシャレ魔女 ラブandベリー
 ディープインパクト(印象が悪くなったかな?)
 ニンテンドーDS(一応「脳トレ」がエントリー)
 ブログ(確かに今年ではないだろう)
 ポッドキャスト
 メガネ男子(これはあっても良かったのでは)★
 リストラ景気
 ロングテール理論
 ワンセグ
 ワーキングプア(これもあるべき)★
 予想外
 偽メール問題(印象が薄くなった?)
 冨田メモ
 出産難民
 地デジ
 姉歯物件
 悠仁さま(エントリーがないのは意外だった)★
 核実験
 欧米か(あっても良かったかなぁ)★
 王ジャパン(WBCがあるので問題なし)
 耐震強度偽装(捏造がエントリーされている)
 高カカオチョコ
 麻垣康三
 2007年問題
 BLT問題
 BNE参上
 LOHAS
 WEB2.0
 熟年離婚★

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2006/11/12

【予想】新語・流行語大賞のノミネート語

今年も新語・流行語大賞の季節がやってきた。おそらく週明けにはノミネート語(例年は60語)が発表されると思うので、その予想をここに記録しておく。この賞の趣味・嗜好(受賞者の話題性を優先する姿勢など)を充分に考慮した上で、選んでみたつもりだ。後日、成績発表とベスト10の最終予想もやってみたい。

ちなみに有力な候補語のひとつ「ハンカチ王子」は朝日新聞の「Word of the Year 2006」を受賞している(夏の高校野球の主催社が朝日新聞であることに留意されたい)。この語が新語・流行語大賞で大賞を受賞できるかどうかがひとつの注目ポイントだろう(高野連がこれを渋っているとの噂も聞く)。

12月上旬の発表で予想されるベスト10(暫定予想) 括弧内は予想受賞者

 イナバウアー(荒川静香)
 ハンカチ王子(斉藤佑樹)
 エビちゃん(蛯原友里)
 エロかっこいい(倖田來未)
 メタボリック症候群(同・診断基準検討委員会)
 下流社会(三浦展)
 国家の品格(藤原正彦)
 武勇伝(オリエンタルラジオ)
 熟年離婚(渡哲也)
 脳トレ(川島隆太)

ノミネートが予想される残り50語

 いじめ問題
 きっこのブログ
 しょこたん
 ど根性大根
 オシムの言葉
 オシャレ魔女 ラブandベリー
 カーリング娘
 キモかわいい
 サムライブルー
 シンジラレナーイ
 ダビンチコード
 ディープインパクト
 ナンバーポータビリティー
 ニンテンドーDS
 ブログ
 ポッドキャスト
 メガネ男子
 リストラ景気
 ロングテール理論
 ワンセグ
 ワーキングプア
 亀田三兄弟
 予想外
 偽メール問題
 再チャレンジ
 冨田メモ
 出産難民
 地デジ
 姉歯物件
 悠仁さま
 核実験
 格差社会
 欧米か
 王ジャパン
 美しい国
 耐震強度偽装
 頭突き
 飲酒運転
 駐車監視員
 高カカオチョコ
 麻垣康三
 2007年問題
 BLT問題
 BNE参上
 LOHAS
 WBC
 WEB2.0
 YouTube
 mixi

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